相続税に関して
秋も終わりに近づき、寒い時期になってきましたね。
寒くなると温かい鍋を囲んで日本酒を一献したい気分です。
今日は相続税についてお話します。
平成27年からの相続税が大きく変わります。
平成25年度税制改正により平成27年1月1日以降の相続から相続税の取り扱いが大きく変わります。基礎控除額は約20年ぶりの改正となり、まさに大改正といってもいい内容です。
Q1. 何が変わるの?
A1.基礎控除額が縮小され、課税対象者が増加します。
相続税の計算は、遺産額から基礎控除額を引いて計算しますが、平成27年からの相続から基礎控除額が下記のように縮小されます。
現行 5,000万円+法定相続人の数×1000万円
改正後 3,000万円+法定相続人の数×600万円
例)相続人が配偶者と子供2人の3人の場合
基礎控除額は 現行8,000万円 → 改正後4,800万円
3,200万円の基礎控除額減に!
A2.相続税の税率構造が改正されます。
各取得年分の相続税の税率のうち2億円超の金額に対する税率が上がります。
(相続税の速算表)
現行 | 改正後 | |||||
各取得分の金額 | 税率 | 控除額 | 各取得分の金額 | 税率 | 控除額 | |
1000万円以下 | 10% | ─ | 1000万円以下 | 10% | ─ | |
3000万円以下 | 15% | 50万円 | 3000万円以下 | 15% | 50万円 | |
5000万円以下 | 20% | 200万円 | 5000万円以下 | 20% | 200万円 | |
1億円以下 | 30% | 700万円 | 1億円以下 | 30% | 700万円 | |
3億円以下 | 40% | 1700万円 | 2億円以下 | 40% | 1700万円 | |
3億円以下 | 45% | 2700万円 | ||||
3億円超 | 50% | 4700万円 | 6億円以下 | 50% | 4200万円 | |
6億円超 | 55% | 7200万円 |
(注)各取得分の金額とは法定相続分に応じた取得金額をいいます。相続税の具体的な計算方法は
相続税の申告─相続税の計算のしくみ─をご覧下さい。
A3.小規模宅地等の特例対象地の拡大
相続税の計算で課税価格を算定する際、被相続人等の居住用や事業用などの土地で要件を満たすものは評価減(50%~80%)することができますが、平成27年からの相続ではこれらの評価減の拡大が行われます。
特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積の拡大
現行 240㎡ → 改正後 330㎡
特定居住用宅地等と特定事業用宅地等の重複適用が可能に
特定居住用宅地等と特定事業用宅地等の両方があった場合、
現行 面積調整が行われ実質的にどちらか1つの上限までしか適用できない
改正後 それぞれの上限面積まで重複して適用可能に
A4.未成年者控除、障害者控除の控除額が上がります。
相続税の納付額を計算する際に、相続人の中に未成年者、障害者の方がいる場合には、本来納める相続税から年齢に応じて税額を控除することができますが、平成27年からの相続についてはその控除額がUPします。
未成年者控除
現行 20歳までの1年につき 6万円
改正後 20歳までの1年につき 10万円
障害者控除
現行 20歳までの1年につき 6万円(特別障害者の場合12万円)
改正後 20歳までの1年につき 10万円(特別障害者の場合20万円)
その他、事業承継に関する改正が行われます。
また、合わせて贈与税についても改正が行われています。贈与税改正の詳細は下記をクリックしてください。
Q2. 早めの対策がトクするって本当?
相続税は事前の準備が決め手!早めの対策で大切な資産を守ります。
相続税対策は早く着手すればするほど高い効果が望め、贈与などをうまく利用することにより相続の際の遺産額を減らすには期間が長ければ長いほど減らせる金額が大きくなります。相続税対策のポイントを理解しておくと人生の中のいろいろなタイミングで大きな相続税対策を立てられることがあり、これも早い時期から意識しておくことが重要です。
あなたの相続税対策は税務調査で通用する?
最近ではインターネット等によりいろいろな情報が手軽に入手できる時代になりました。相続税対策についても様々な情報が流れており、それに基づいて自分はしっかり相続税対策をしていると思われている方もいらっしゃるかもしれません。でもその相続税対策は本当に法的に通用するでしょうか?
Q3. じゃあ、どうすれば良いの?
まずは頼れるプロに相談しましょう!
相続税に関して悩まれている方は、是非一度相続税に精通している税理士にご相談下さい。ご自身の相続税がどれぐらいになるのか、支払い可能な額なのかを確認するだけでも安心される場合があります。
そのうえで、今からできる相続税対策などのアドバイスをもらいましょう。
相続税以外の相続に関するご相談の場合で税理士の業務の範疇を超えるものは提携している司法書士等をご紹介できますのでまずはお気軽にご相談下さい。